夏休みが終わりに近づくと、「学校に行きたくない」「お腹が痛い」と口にするお子さんは少なくありません。楽しかった夏休みのあとに学校がしんどく感じるのは、大人の連休明けと同じで、ごく自然なことです。
先に結論をお伝えすると、行き渋りは「甘え」ではなく、無理に引っ張って行かせないことが大切です。まず気持ちを受け止め、必要なら休ませ、学校以外にも安心できる居場所を用意してあげる。この順番で、多くの子は自分のペースでまた歩き出します。
この記事では、夏休み明けに行き渋りが増える背景、避けたい対応とおすすめの対応、今日からできる4ステップ、山形県内の相談先までを、山形市・米沢市で探究教室を運営するESTEMが解説します。
この記事の要点
- 夏休み明けの行き渋りは珍しいことではなく、不登校の小中学生は全国で35万人を超えています。「うちだけ」と抱え込む必要はありません
- 「なんで行けないの」と問い詰めるより、気持ちを聞いて休ませる方が回復は早いと言われます。休むことは負けではありません
- 学校と家庭以外の「第3の居場所」があると、子どもは自信と人とのつながりを保ちやすく、学校に戻るときの足がかりにもなります
夏休み明けの行き渋りは珍しくない|9月に増える背景
文部科学省の調査では、2024年度に不登校とされた小中学生は全国で約35万4,000人と過去最多を更新し、12年連続で増加しています(※2026年8月執筆時点)。はっきりした不登校の手前にある「行きたくないな」「朝になるとお腹が痛い」といった行き渋りまで含めれば、さらに多くの家庭が同じ経験をしていると言われます。
特に夏休み明けは、次のような理由で行き渋りが出やすい時期です。
- 生活リズムの変化:夏休み中の就寝・起床時間から、学校仕様のリズムに急に戻すのは大人でも大変です
- 宿題や勉強への不安:宿題が終わっていない、授業についていけるか心配、といったプレッシャー
- 人間関係のリセット:友だちやクラスの空気に、休み明けにもう一度入り直す緊張感
- 夏休み中の充実とのギャップ:家で好きなことに打ち込めた時間と比べて、学校が窮屈に感じられる
つまり行き渋りは、性格の弱さや育て方の問題ではなく、環境の切り替わりに心がついていくための時間差のようなものです。まずは「そういう時期なんだ」と親御さん自身が受け止めることが、対応の第一歩になります。
夏休みの後半の過ごし方から生活リズムを整えたい方は、小学生の夏休みの過ごし方|だらだら防止と探究のヒントも参考にしてください。
避けたい対応・おすすめの対応
「学校に行きたくない」と言われた瞬間、親としては焦りから、つい強い言葉が出てしまいがちです。よくある対応を整理してみます。
場面 | 避けたい対応 | おすすめの対応 |
|---|---|---|
朝、行きたくないと言われた | 「なんで行けないの!」と理由を問い詰める | 「そっか、行きたくないんだね」とまず気持ちを受け止める |
理由を話してくれない | 「理由を言わないなら行きなさい」と交渉にする | 「言いたくなったら聞かせてね」と待つ。理由は本人にも分からないことが多い |
休ませるかどうか | 「休みグセがつくから」と無理に登校させる | 体や心のSOSと捉え、必要なら思い切って休ませる |
休んでいる日中 | 「学校に行ってないのに遊ぶの?」と責める | 安心して過ごさせ、好きなことへの没頭はむしろ回復のサインと見る |
周囲との比較 | 「みんなは行ってるよ」と比べる | 比べるのは過去のわが子だけ。小さな変化を言葉にして伝える |
ポイントは、登校そのものをゴールにしないことです。子どもが安心を取り戻せば、結果として学校に戻るケースは多くあります。順番が逆になると、こじれやすくなります。
今日からできる対応4ステップ
実際に行き渋りが始まったとき、家庭でできることを4つのステップで整理します。
- 聞く:「行きたくないんだね」とオウム返しでいいので、まず受け止めます。原因探しや説得はいったん脇に置きます
- 休む:心と体の充電を優先します。休ませる場合は学校に連絡し、担任の先生と情報を共有しておくと、その後の連携がスムーズです
- 小さく再開する:いきなり「毎日フル登校」を目指さず、放課後だけ顔を出す、好きな教科の日だけ行く、学校以外の場所に出かける、など小さな一歩から。家の外に出て人と話せた、それだけで十分な前進です
- 頼る:家庭だけで抱えず、学校のスクールカウンセラーや地域の相談窓口、学校以外の居場所など、外の力を借ります
3つ目の「小さく再開する」段階では、学校よりハードルの低い場所があると動き出しやすくなります。次の章で詳しく説明します。
学校以外の「第3の居場所」が子どもを支える
家庭と学校しか居場所がないと、学校に行けない期間は「家に一人でいる時間」がどうしても長くなります。そこで大切になるのが、家庭でも学校でもない「第3の居場所(サードプレイス)」です。
第3の居場所には、次のような役割があります。
- 生活リズムの維持:週に数回でも「出かける場所」があると、昼夜逆転を防ぎやすくなります
- 人とのつながりの維持:家族以外の大人や、学校とは別の友だちと話す機会が、孤立を防ぎます
- 自信の回復:好きなことに打ち込み、「できた」「面白い」と感じる経験が、心のエネルギーを取り戻します
- 学校に戻る足がかり:「外に出て人と関われている」という事実そのものが、再登校への橋になります
実際、私たちの教室にも、学校に行きづらい時期にESTEMには変わらず通い続けた子がいます。教室で好きな探究に打ち込み、講師や他の学年の子と関わるうちに、しばらくして学校にも戻っていきました。一時的に学校に行けなくても、安心できる居場所と人とのつながりがあれば、また戻れることは多い——これは私たちが現場で実感していることです。
保護者の方からも、「学校以外で大人や他の子どもと接点を持てる場所があるのはありがたい」という声をいただいています。学校がすべてではない、という逃げ道が一つあるだけで、子どもも親も気持ちがずっと楽になります。
ゲームやYouTubeに没頭している場合も、取り上げるのではなく「作る側」に回すきっかけにできます。詳しくは子どもがゲーム・YouTubeばかりで心配…「作る側」に回す発想とはをご覧ください。
山形県内の主な相談先
行き渋りが長引きそうなとき、深刻になる前に相談できる窓口があります(※2026年8月執筆時点。連絡先・受付時間は各公式サイトで最新情報をご確認ください)。
- 通っている学校:担任の先生のほか、スクールカウンセラーへの相談も可能です
- 山形市:山形市教育委員会の教育相談窓口、青少年指導センター(いじめ・不登校・心の悩み)
- 米沢市:米沢市教育委員会の相談窓口(不登校・ひきこもり等)
- 山形県:県教育委員会が教育支援センター(適応指導教室)や民間支援団体の一覧を公開しています
「相談するほどではないかも」と感じる段階で話しておくと、いざというとき動きやすくなります。早めに頼ることは、決して大げさなことではありません。
学校の外に「好き」で通える場所を|探究教室ESTEM
ESTEMは、山形市(本町・やまがたクリエイティブシティセンターQ1内)と米沢市(金池)にある、小1〜高3対象の探究教室です。科学・アート・ものづくり・お金・映像など、毎月変わるテーマを実験や制作を通して探究します。
行き渋りや不登校のご家庭にとって、ESTEMは次のような場所として使えます。
- 「勉強しに行く場所」ではなく「好きなことをしに行く場所」なので、学校がしんどい時期でも足が向きやすい
- 授業は少人数で、講師や学年の違う子どもたちとゆるやかに関われる
- 授業を受講している生徒は、教室が開いている時間なら授業のない日でも自習室に来られるため、平日の日中の居場所・生活リズムの維持にも役立つ
- 入会金・教材費なしの月謝制なので、お子さんの状態に合わせて始めやすく、やめても道具が無駄にならない
料金は低学年体験プラン(小1〜3)が月13,000円、高学年体験プラン(小4以上)が月15,000円(いずれも税込・入会金/教材費なし・兄弟15%割引あり)です。コースの詳細はコース・料金ページを、教室の考え方はESTEMについてをご覧ください。
「まずは子どもが気に入るかどうか」が一番大切です。無料体験で教室の空気を見てみてください。
よくある質問
Q. 休ませたら、休みグセがつきませんか?
「休ませたから休みグセがつく」というより、心のエネルギーが切れたまま無理をさせる方が、回復に時間がかかると言われます。休むこと自体を責めず、休んでいる間の安心と生活リズムを整えることに目を向けるのがおすすめです。
Q. 学校を休んでいる間、勉強の遅れが心配です
心が回復すれば、学習は後から取り戻せることが多いものです。焦って勉強を詰め込むより、まずは好きなことへの意欲を取り戻すことが先です。家以外で落ち着いて過ごせる場所を探したい場合は、山形市・米沢市の勉強できる場所8選も参考になります。
Q. 学校には行けないのに、習い事には行きたがります。行かせていい?
ぜひ行かせてあげてください。「学校に行けないなら習い事もダメ」としてしまうと、子どもは唯一の外とのつながりを失ってしまいます。習い事で保てる自信や人間関係が、学校に戻る力になることは多くあります。
Q. どこまで様子を見て、いつ相談すべきですか?
明確な線引きはありませんが、行き渋りが数週間続く、食欲や睡眠に変化がある、家でも元気がない、といったサインがあれば早めの相談をおすすめします。まずは担任の先生かスクールカウンセラー、市の相談窓口など、話しやすいところで大丈夫です。
まとめ|行き渋りは、子どもからのサイン
- 夏休み明けの行き渋りは珍しくなく、環境の切り替わりに心がついていくための時間差。親の育て方の問題ではありません
- 問い詰めず、まず受け止める。必要なら休ませ、「聞く→休む→小さく再開→頼る」の順番で
- 学校と家庭以外の「第3の居場所」が、生活リズム・人とのつながり・自信を支え、学校に戻る足がかりになります
「学校に行きたくない」は、子どもなりのSOSであると同時に、「自分に合う居場所や学び方を探したい」というサインでもあります。学校の外に「好き」で通える場所を一つ用意しておくことは、その何よりの備えになります。
ESTEMの無料体験は随時受け付けています。お子さんに合いそうか、まずは気軽に見に来てください。
